安保法制反対デモに参加したらアジテーションが完全にHALCALIでハイテンションになった話
こんにちは、世界。
昨日も昨日で金麦を飲んで酔いつぶれた私です。
きちんとつまみを喰えば気持ち悪くならないとわかっているのに、なにゆえ発泡酒ばかり飲むのでしょうか。(A.アルコール以外に金を使いたくないから)
日曜日にデモに参加してきた。前日に友人から「明日デモ行かへんか」とお誘いがあったからだ。
これ↓
学生ら「戦争法案、絶対反対」 京都で2200人デモ : 京都新聞
夏の風物詩と言えば盆踊り、花火、デモ。「居酒屋行かへんか」のノリで誘ってくれた友人に感謝したい。そう。デモはそんな肩ひじ張って参加するもんじゃない。「お、デモやっとるやないか。一緒に歩いたろまい」くらいでいいと思う。盆踊りと同じ程度には楽しいから。
当日、王将で餃子ビー(餃子を食べつつビールを飲む、の意)を決めてる友人と娘さんのところに合流。そうめんをしこたま食べてきたアタイはビールだけ注文し、ひとまず乾杯。その後集合場所の円山公園に赴き、デモ隊に混じる。途中若い友人カップルに遭遇し、「やっぱ、デートはデモっすよ!!」と言われてなんだかうきうき。そうか。デモデート。これから流行るかもしれない。
人、多い(あとで聞いたところによると、2200人くらいだったみたい)。まさに老若男女の人ゴミ。子連れの参加者も多く、ご老人も高校生も学生も。なんだかみんなにこにこしている。うん。楽しいからな。デモは。ちょっとしたお祭り。
最近の左翼はなんだかやたらおしゃれだ。昔のザ・左翼みたいなみすぼらしい格好してる人がほぼいない。男の子も女の子もなんだかかわいい。かわいい男の子に目がない私には目の保養だ。かわいくておしゃれで左翼って、なにそれ、完璧じゃないの!嫉妬しちゃう!
デモ隊がようやく動き出すも、円山公園から四条通りまで一団が出尽くすのにかなりの時間がかかる。太陽燦々。アジィ。
四条河原町の交差点あたりで自己内盛り上がりが高まりはじめ、
デモ隊「「「平和を守ろう」」」
わし「遠洋マグロー」
デモ隊「「「戦争反対」」」
わし「憲法反対」
デモ隊「「「国民を無視した政治をするな」」」
わし「洋式便所で立ちションをするな」
などとぼそぼそふざけて友人に怒られる。真面目な空気に耐えられずついふざける。もう33なのに。
デモ隊は何個かに分かれており(人多いからね)、それぞれの先頭に主催の学生らしき人がおってアジの先導をしていた。「他の分隊はどんなもんじゃろな」と、二週目の川端四条あたりで沿道経由で他の分隊へ移動。
移動先の分隊は女子二人がメインでアジを張っていたのだが、これが、言葉の載せ方とフロウ(っていうの?ヒップホップわからん)が絶妙でより一層はしゃぐ。
他の分隊のアジは、まあオーソドックスに、抑揚なし、言葉の頭にアクセント、といった古き良きアジだったが、彼女らのアジは
「しゅーだんてき(ここまでつめこんで)じ(ここは裏拍で入る)、(タメ)えーーけん(破裂音でキメ)、(タメ)わいらへん!」
「民主主義ってなんや!(いい切りではっきりと)民主主義ってなんやぁ?(下に下降するメロディーで)」
こんな感じで(文字にしても全然わからへんな……)とにかくめちゃくちゃよかったのだ。なんか、可愛い。友人ともども萌え倒した。
そういや10年ほど前、まだ私が学生でデモの主催側だったとき、私より左翼度の高い冴えない友人が「アメリカでは、ヒップホップのリズムにのせてアジるのが流行ってるらしいよ!」っ言って実践しておったが、その友人、好きな音楽中島みゆき一択とかで、音楽のセンスもリズム感も壊滅的だったので、目の前で繰り広げられるリリックに苦笑しかできなかった。
閑話休題。
あまりによかったのでこっそりアジを録音し、友人宅に帰って野球を見ていた別の友人にそれを聞かせたところ「めっちゃHALCALIやな。というかドラヒップ」と言ってくれたので私もひとしきりにやにや。
今回はとにかくアジがHALCALIであったことをお伝えしたかった。それだけなら1行で終わるのに。
ここからは老害おっさんのひとり言。
若いやつらは、なんて言いたかないが、あれだけの規模のデモをしっかり先導し(あとでいろいろ調べたところ、全部でも60名程度の団体らしい。当日何人来てたかは知らん)、なんの騒動も起きず、警察ともとくに揉めず、かと言って主張したいことははっきりと「デモ」で伝え、しっかりと場を盛り上げた主催の子らは本当にすげえの一言だった。我らおっさん左翼たちはなにかと言えば警官と小競り合いを起こし、なんならそうすることが粋とか勘違いしていた馬鹿とは雲泥の差である。くそ。誰かあの頃の俺にこのデモのことを教えてあげてくれ。末端の警官に逆らうことで強さをアピールすんじゃねえよ!!あほーーーー。
デモの終盤、話し方からすると沖縄出身ぽい女の子がスピーチをしていた。
「沖縄の人たちの多くが反対しているのに辺野古に基地が来ることにどうしても違和感があって、そこからいろいろなことを勉強するようになりました」
主催の彼らの団体は政党色を排除している。おそらく「左翼」と呼ばれることにも抵抗感があるのだと思う。だけれど、大きい声を上げ、相手を論破することに拘泥し、「権力と戦ってる俺、カコイー」ってなってる老害左翼(含む私)どもとは違い、彼らの中にあるのはきっと純粋な「違和感」なんだろう。そういううわべの「強さ」に囚われない「疑問」や「違和感」から発生した声はとても強いと思う。
「民主主義ってなんや?」
そういうあまりに素朴な疑問を感じなくなったら終わりなのかなと、彼らを見ていて思った。
正直なところ、私は安保法制とかわかっちゃいない。勉強しなきゃな、って思いながらも国際法も外交における日本の立ち位置もわかってないと思う。「安保法制反対」「集団的自衛権はいらない」とアジることにうっすら抵抗感があるのも否めない。理解してないから。
ただ、私は殺したくないし殺されたくない。だから、戦争につながる可能性があるものなら馬鹿のひとつ覚えのように反対反対言いつづけようと思う。他の国と戦わないで平和を守るだなんて、理想論だって言う「賢い」人たちがいる。あほか。命が奪う奪われるってことに理想もヘチマもあるか。そこに理想おかないならどこに正しさがあるんだよ。
坂本龍一が「僕たちは反対って言っていればいい」って言ったときに「無責任だ!」とか「反対なら対案を出せ!」とか言われて大炎上していたことがあったが、そうやっていってくるやつらの気持ちがわからん。「国民」が「理想」としている「生活」を「実現」しようと努力するのが「政治」なんじゃないのかい。それでおまんま食ってるんでしょ?あんたらの「理想」を押し付けるのは政治って言わねえの。
なにより「反対するなら対案を出せ」なんて言うのはただの職務放棄だろ。Webデザイナーがクライアントに「このデザイン気に入らないならあなた別案出してくださいよ」なんて言ったら殴られるぞ。
長いうえに本来このブログがやりたかったこととは、違ってしまった。しかも多少臭い。まあたまにはいいだろう。なにより誰も読んじゃないだろうし。
気に入ったんで、もう一回だけ書いとく。
「民主主義ってなんや、民主主義ってなんや?」
日々の磨耗する暮らしの中でもそんな疑問や違和感を忘れずにいることくらいはできるはずだ、と思う。
「遠洋マグロー」
真面目なこと書き過ぎて頭が煮えてきた。
※友人の娘さんが描いた絵。こんなプラカードなら保守のおっさん・おばはんどももメロメロだろう。良い人ぶるつもりはさらさらないが、この子が誰かに殺されたり誰かを殺すことがない世界であり続けてほしいと本当に思う。
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